ちとせあめ

なごみ(@higuumi753)07th expansion様の作品について、長文になりがちな考察をメインにアップしていきます。新規情報の追加や新たな視点からの考察の結果記事同士が多少矛盾することもあるかと思いますがお目溢し頂ければ幸いです。

ガントレットナイトの役割と黒幕と技術

御岳都雄の役割=救世主(選ばれし者達を神の国へ連れて行くこと)は、作中内で読み解くと「ガントレットナイトを率いた大量死を牽引すること」と思われる。彼の行動で、「優れておりかつ世界のために犠牲になることも辞さない士気の高いガントレットナイト達が多く生まれた」ゆえに悲劇が生じたことを考えると、おそらく整合性があるだろう。

ところで、なぜガントレットナイトを大量に殺さなければいけないのだろうか? しかも、陣営関係なく全世界規模で? というかなんで同じAOUの都雄がジェイデンやコーシュカを殺す必要性が? 過酷な戦争中なのに? なんかおかしくない?

一つ考えられる説が、「これはそもそもエネルギー源を得るための全世界規模の狂言による戦争である」という結論だ。つまり「世界の陣営トップ同士による口裏あわせ」が生じているというものである。

A3Wにおいて主たるエネルギー源といえば霊素である。①霊素には質がある。過去大規模な戦争被害が生じた土地から採れやすい。具体的な経緯は歴史的に伏せられている②霊素を最大効率でエネルギーに変換するドライツィヒ変換は人間にしか出来ない

つまり、①霊素はおそらく「人間から採れる」(文化度が高いほど良質とかかもしれない)②「ドライツィヒ変換を行う、P3値の高い専用の生身の人間が確保できると大変都合がよい」

ということが察せられる。

……これ、まさに「ガントレットナイトの大量虐殺」によって得られるものでは?①ガントレットナイトが大量に死ねば良質な霊素がたくさん採れる②ガントレットは外側から操作が可能。ドライツィヒ変換が得意な優秀な1人に罪を着せることに成功すれば、罪をつぐなうためと称して「ドライツィヒ変換用の生身の人間1名」を確保できる

更に考えを推し進めると、③そもそもガントレット自体がこの目的で作られた技術であるなら超技術を保持している必要性さえない。エネルギーを得るための口実、口裏合わせによる戦争なのだから、高性能の武器なんてわざわざ開発するのもったいなくない? ガントレットは左手に装用するもの、つまりセルコンと同じ位置である。これ、単なるセルコンのアプデパッチで、ガントレットを着用している間中ずっと映像を見せられているだけなんじゃないの? 空を飛んでいる間中ガントレットを外すわけにはいかない。「誰も撃った覚えのない標的が倒れている」のと同じように「撃ったつもりだけど実はそう思い込まされているだけ」ということは十分にあり得るのでは?

このロジックだと、OPの「凍りついた魂償う左手」も、全世界が協力して得たがるような良質な霊素を材料として高性能VR技術を搭載されたガントレットを使うことで《地獄》を何度も再生する……ということなのかも知れない。

 

2019/12/27追記:

エネルギーの利用目的だが、そもそも巨大シミュレーターを使って《天国》を生み出そうとしていた可能性も高い。本来は苦しみのない世界のデータを入力するつもりがジェイデンの行動で《地獄》が無限に再生されるという状況である。預言書では「リストに名のあるものだけが天国に招かれる」とある。「ほかの人類も全員グル」なのか、「一部の上流階級のみしか知らない」のかについては議論の余地があるが、ノアの方舟には大工を載せるべきでなかった」というたとえから、方舟を生み出す手段にすぎないガントレットナイト達の多くはリストアップされていなかったのだろう(逆説的に、「ノアよりちょっと増やしたい」という藤治郎の発言は、ガントレットナイトの味方をしようとしている説を補強するもののように思う)