ちとせあめ

なごみ(@higuumi753)07th expansion様の作品について、長文になりがちな考察をメインにアップしていきます。新規情報の追加や新たな視点からの考察の結果記事同士が多少矛盾することもあるかと思いますがお目溢し頂ければ幸いです。

キコニア:超天然ジェイデン様

本記事はジェイデンの人物像、特に「鈍感さ」についての考察である。

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ジェイデンの内面描写をみる限り、ジェイデンは非常に感情の機微に疎い人物であることが察せられる。もっと正確に言うならば、「AOUの天才教育の弊害により感情に関する認識を極度に麻痺させられて育った、自分自身の感情に自信がもてない」人物と考えられる。

ジェイデンの人物像に関しては、CPPに纏わる話で顕著に表れている。ジェイデンの行動をまとめよう。「凹んでとぼとぼ歩く」→「数時間前に都雄にいつもの褒め言葉を言われなかったから凹んでいるのだと気付く」→「なんでこんなに都雄の言動に一喜一憂しているのだろうと思いながらゲーセンに行く」→「ほかの人に褒められてようやく気分を盛り返す」→「ミャオに会う」→「都雄に対する態度が変わる」→「都雄にキモいと言われる」→「女の子の人格の存在を知ったから行動が変わったということではないか、と言われる」→「自分はミャオが好きで都雄は相棒!と納得」→「都雄にキモいと言われたことを思い出して凹む」→「ミャオに肉体の性別を聞いた方がいいのでは? と思い始める」→「身体の性別は関係ないのではと言われる」→「御岳都雄の身体が男でも関係ないと言い切る」

キコニアにおいて主観の視点に嘘がない(https://nagomi753wtc.hatenablog.com/entry/2020/01/25/111124)という説を取るならば、ジェイデンは己の行動の変化の理由を自分では認識できず、人から言われたことを鵜呑みにしてしまっている。今まで07thに女心に鈍い人物はいても、「自分の感情をここまで自分で把握することのできない」人物はいなかった。つまりこれ、「もー男子はほんとドンカン!」とかいうレベルのものではなく、ジェイデンに特有の性格である。自分の感情の機微を把握する能力がほとんど麻痺してしまって行動や身体反応から「推測して」いるような状態と見受けられる(アレキシサイミアなどが近いかもしれない)。

P3値はストレスが高いと低くなってしまう。最高のパフォーマンスを維持するためには、周囲の感情の機微にも自分自身の感情の機微にも鈍くなるのが最大の自己防衛である。ジェイデンの「脳内生成物質及びその受容体に特異な傾向」というのはこの件に関することであろうと思われる。

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つまりジェイデンの鈍感さ、「女心がわからない童貞ゆえの鈍感ムーヴ」ではなく「生まれ育った環境や愛着関係が極悪すぎて性格形成時に致命的な傷を負った結果」である可能性が高いのである。クロエのように繊細な性格をしていたら、AOUでエリートは務まらない。同輩から超天才とやっかまれるボッチで親族はないとなると頼れる者がいない状態である。

 

また、ジェイデンは作中で、鈍感さの割に都雄を気づかったりする場面が多い。「ジェイデンにも多少非はあるかもしれないけど、都雄の言い方のキツさを指摘するくらいしてもバチは当たらないのでは?」という場面でさえ、全面的に自分が悪い、ということにしてしまっている(フラグメント12など)。ギュンヒルドからも「破天荒そうにふるまっているけど意外と小心的」と指摘されている。ジェイデンは兄弟の日に会話フィルターを入れる程度には、自分の発言が他人に不快感を与えうることに自覚的な人物なのである。自分が「鈍くて」失言しやすいことを自覚しているなら、嫌われたくない相手には最大限丁寧に、自らの知る範疇での常識に準拠した行動で接しようとするのは当然のことのように思う。

 

恋愛の話に戻るが、鈍いうえに、親しい友人もおらず恋した経験もなかったのなら、同性の友人相手に恋した場合、恋情と友情の区別がハッキリつけられるだろうか? ジェイデンはもともと都雄が男であると認識していた時から褒められて赤面しそうになるのを留めている場面があった。ジェイデンは、基本的にはヘテロセクシャルで「男を好きになるかもしれない」という想定がなかったのであろう。「都雄は男だから『何はともあれ』友情!」と思っていたところに、女の子の人格が現れて「俺はこの子を好きになってもいいのかもしれない?」と無意識下で思い始めていた、というほうが印象に合っている。

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「褒めてくれるミャオだけが好き」ならばそれでも構わなかったのだろうが、ミャオと都雄は別人、と自覚したタイミングで「都雄にキモいと言われて凹んだ」のは、フラグメント12で示されているように「叱る都雄も好き」なのに、「都雄から恋心を否定されてしまったに等しいから」と考えられる。そして現在ジェイデンは、「今まで褒めてくれていたのはミャオちゃんで、都雄にはずっと叱られていた」と認識してしまっている。今後この状態で都雄と盛大に対立した場合、「都雄はずっと俺のことを嫌っていた」と誤解する可能性はけっこう高いのではないだろうか?