キコニア:三人の王の手先について
三人の王は、人類の文明が行き着くところまで発展し切ってしまうのを恐れている。地震の原因を知らないことから8MSの関係者ではないようだが、「このまま世界が発展を続けるくらいなら文明がリセットされてしまったほうがマシ」と考えている。しかし神や預言書というものを盲目的に信じて行動している狂信的な集団というより、「多くの人類が知らない過去にあった出来事を知っているためそれを回避している」ような発言が窺える。
三人の王はジェストレスを通じ、24名の大浴場騎士団の各陣営に4名の手先を送り込んでいると言われている。彼らが関係者にどの程度情報を共有しているのかは不明である。「ノアの方舟にノアの家族のみを乗せること」を実現しようと画策している彼らにとって、わずか一対の家族以外は邪魔になる。76の騎士団など大きな勢力を配下に置いているようだが、少なくとも建前上はもっと生き残れるように計らうと説明しているだろう。
本人達が手先として使っているつもりのジェストレスは三人の王の目を欺き更に暗躍している。彼女は「自分にとっての悪夢から目覚める」ことが望みとのこと。入り込んだという手先が具体的に誰なのかさえ知らない三人の王なので、ジェストレス自身はより有益な条件を提示している可能性もある。まあ少なくとも、戦火を煽るようなことをさせているのだから、この世界が滅ぶに値すると判断している者であろう。
この世界が滅ぶに値すると判断している可能性が高く、更に忠誠を誓わせる上で非常に都合のいい存在がいる。「低P3値にも関わらずガントレットナイトを志した者」である。
P3値はキコニアにおいて重要な概念である。P3値は高度な情報処理を必要とするキコニア世界においてはとても重要視される才能の一種である。そのため一斉検査を行なっている国も多いようである。
AOUジェイデン
COUアンドリー
薬物によってコントロールすることもある程度可能である。
ABNナイマ
ただ、通常は過剰に摂取すると脳損傷を受けることもあるようだ。
また、AOUのように幼少期から才能の有無を検査する陣営においては生まれつき才能がない=リソースをかけて育成する手間が無駄であると判断されやすいようで、才能ある者の踏み台にされたりもする。AOU以外の陣営の裏事情はまだ示されていないものの、英才教育を重んじているところが多いことからこの辺りはあまり変わらないのではないだろうか。
通常、実力とはもともとの才能と環境によって身につくものである。しかし才能のない者にはまず環境が得られないとすると、この世界は基本的に「才能がある者に最前の環境を与えて育成している世界」であり、才能がない者にはチャンスすらほとんどチャンスすら与えられないと考えられる。リソースがあるなら天才に回して更に脳力を高める、ということだ。
となると、才能がないと判断されてしまった者がシンプルな努力を重ねて実力を身につけるという可能性は、非常に低いことになってしまう。非常に低いどころか、特殊なコネを作らない限り皆無に等しいと考えられる。いや、特殊なコネを作ったとしても、作中で出てきた第二秘書のようなやり方だけでは、あくまで「いいポジションにつけるように取り計らって貰える」くらいのメリットで、それが理由に才能が開花するとは考え難い。
つまり「初めは低P3値だったが、のちに高P3値になった」というパターン、よっぽど特殊なコネを使っている可能性が高いのである。
そしてこのパターンに該当する者が、各陣営きっちり1名ずつ存在する。
COUアイシャ
ABNナオミ
ACRヌール
である。ちなみにこの考察、本編の最序盤に王の手先が4人いる!と言われた直後に思いついたものである。そこに至るまでの苦労の具体例も知らなかったからこそフラットかつ無邪気にできた考察である。
当たり前だが、世界は滅んだほうがいいと思うまで追い詰められるほど苦労したり酷い扱いを受けている人を見てきた子達の可能性が高いのである。それを考えるともうだいぶつらい。